SEC、暗号資産規制を見直す特別チームを発表
米国証券取引委員会(SEC)は、暗号資産(仮想通貨)に関する明確かつ包括的な規制枠組みを策定するための特別チームの設立を発表しました。この新たな取り組みは、投資家保護を強化し、仮想通貨市場の健全性を向上させることを目的としています。
特別チームの主要目標
これまでのSECのアプローチは、既存の連邦証券法に基づく解釈や断片的な執行に依存しており、仮想通貨事業者に対する明確な登録要件や実践的な指針を提供できていませんでした。その結果、仮想通貨市場はイノベーションに対する障壁となり、多くの混乱と批判を招いていました。今回設立された特別チームでは、以下の項目を重点的に取り組み、新しい規制基盤の構築を目指します。
- 明確な規制ルールの制定
- 登録手続きの具体的な指針の提示
- 合理的な情報開示ルールの構築
- 効率的な執行リソースの配分
さらに、このチームは議会が規制枠組みを調整する際に技術的支援を提供するほか、商品先物取引委員会(CFTC)や海外の規制機関と連携し、国際的な規制調和を図る予定です。
新政権下での規制緩和の見通し
バイデン政権下では、ゲイリー・ゲンスラー前委員長の指導のもと、SECは既存の連邦証券法に基づいて暗号資産産業に対して厳格な規制を推進してきました。これらの厳しい規制と強制的な執行は、仮想通貨関連企業や推進派の政治家から多くの批判を招いていました。
SECはこれまでのアプローチについて、「仮想通貨業界に対するイノベーションを阻害する環境を生み出した」と認識しています。こうした背景を受け、新政権では仮想通貨に関する規制緩和の可能性が期待されています。SECの特別チームを通じて、仮想通貨市場における明確かつ合理的な規制フレームワークが構築されるでしょう。これにより、仮想通貨事業者が法的に準拠しやすい環境が整備され、市場全体の健全性向上と共にイノベーションが促進される可能性があります。
特に、長年続いていたリップル社とSECの訴訟問題についても、解決に向けた動きが進むと見られています。この訴訟問題の解決は、リップルだけでなく、仮想通貨市場全体に好影響をもたらすことが期待されています。